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米国のCAM(補完代替医療)の実情とイソフラボンの可能性について

ハーバード大学医学部 BIDMC栄養医学研究センター所長 ブラックバーン 医学博士に米国におけるCAMの実情と大豆イソフラボンの可能性について講演していただきました。

ハーバード大学ブラックバーン医学博士
ハーバード大学医学部 BIDMC栄養医学研究センター所長 ブラックバーン 医学博士

アメリカでは26%の人がサプリメントを利用

日本に比べると、欧米では更年期の治療法としてホルモン補充療法が広く行われています。
ところが最近、副作用の可能性が報告されてから、ホルモン補充に代わるCAMが急激に広まってきました。
その一部は現代医療に取りこまれつつあり、サプリメントはすでに広く利用されています。
米国厚生省が2002年に行った調査によると、米国人の36%が過去1年間になんらかのCAM(補完代替医療)を利用しています (「祈り」を含めると62%が利用)。
よく用いられているのは天然製品の使用、深呼吸、カイロプラクティック、ヨガ、マッサージなどで、 サプリメント類については約20%もの人が利用しています。
さらにサプリメントの利用の内訳は、約26%が医師など現代医療の専門家にすすめられて利用している点も興味深いところです。

更年期治療に求められる非ホルモンアプローチ

米国では、ホットフラッシュは更年期の最も顕著な症状です。
顔や上半身が急に熱くなり、心拍数の上昇、発汗があり、嘔吐感、めまい、不安感、頭痛などをともなうもので、 生活の質に大きな影響を及ぼしています。
ところで、米国女性では約75%がホットフラッシュを発症するというデータがあるのですが、日本女性は冷えが現れる傾向があるようです。
更年期症状にCAMを用いた人は0.8%と低いのですが、これには、アメリカではホルモン補充療法が広く普及しているという背景があります。
ただ、長期的なホルモン補充療法は、乳がん、脳卒中、血栓症などのリスクを高める可能性が指摘されてきたため、
非ホルモンアプローチであるCAMの開発が重要になってきています。
更年期症状にCAMを利用した人は、55%が「良い」と感じ、50%の人が「試してみるのも良い」と感じたということです。

非ホルモン系療法として注目される大豆抽出物

非ホルモンアプローチの中では、非ホルモン製剤であるベンラファキシンが35~61%の改善率、ビタミンEが38%、
大豆および大豆抽出物は25~61%と大豆抽出物が非ホルモン製剤に匹敵する改善率を示しています。
ただ25~61%と幅が広くなっていますが、これはイソフラボンの含有量や吸収性に関係があるとわれわれは考えています。

アグリコン型イソフラボンの効果が臨床試験で明らかに

われわれはニチモウとの共同研究で、同社のアグリコン型イソフラボン素材を用いた臨床試験を行いました。
まずパイロット試験として24名の更年期女性に8週間にわたってアグリコン型イソフラボン素材を飲用してもらい、その変化を比較しました。その結果、次のことが明らかとなりました。

 

(1) 4週間でホットフラッシュの頻度と度合いに改善が見られ、8週間でさらに改善が見られた(グラフ参照)
アグリコン型イソフラボンのホットフラッシュに対する効果

(2) 副作用は報告されなかった
(3) ステロイドホルモンや甲状腺ホルモンの増加は認められず安全性が確認された

アグリコン型の中でも「ダイゼイン」がキーワード

われわれはホルモン補充療法のリスクから離れるために、エストロゲン受容体との親和性が低い代替素材を求めていますが、
アグリコン型イソフラボンの中でもゲニステインとダイゼインを比べると、ダイゼインの方が遙かに親和性が低いことから、
「ダイゼイン」が安全性も高く、その点からも更年期の優れたCAMになりうると考えています。
ニチモウの発酵大豆胚芽抽出物はダイゼイン・リッチなイソフラボンであり、今後もこの素材の研究を続けていきたいと考えています。